コモンプロジェクト : 中心市街地での社会実験に参加 (都市・建築計画学研究室 田中貴宏教授)
プロジェクト紹介
東広島市の中心市街地での官民連携による社会実験
『ALC’mon アルカモン』
西条駅前に突如現れたきらきら光るキャンドルやイルミネーション。珍しい光景にそそられて、カップルや家族連れで訪れている方々が目立ちました。
ブールバールの歩道には、ベンチやデッキなど憩いの場が設置されて、パークレット※ができました。これから何が始まるのかと立ち寄ってみた方や、車内で横目に気になってやまなかった方も多くおられたのではないでしょうか?
令和3年11月19日(金曜日)から令和3年12月26日(日曜日)の主に土日に行われた『ALC’mon アルカモン』は、官民連携で西条駅前周辺を「歩いて楽しいにぎわいのある街」とするための社会実験です。西条中央公園(美術館側)とその前のブールバールの歩道空間で行われました。
この社会実験に、建築デザインや都市計画、まちづくりが研究対象である都市・建築計画学研究室の田中貴宏教授と学生が参加されました。
近年では、学術的な意味においても、まちなかの歩道や公園などの公共空間を活用して、まちなかにぎわいを生み出していくことに注目が集まりつつあります。
私たちのまちである「西条」にそのような空間を作りたいとの思いから、プロジェクトに参加されたそうです。
田中教授からは、「人口が減少していく中で、市街地の拡大が続き人口密度が低下すれば、インフラの維持にかかるコストの増加など、様々なマイナスの影響が想定されます。そのためにも、まちなかににぎわいを生み出し集約型のまちを目指していくことが必要になります。」と、社会的な意義や背景について説明をいただきました。
気になるのは、アルカモンというキャッチーで特徴的な名前。「歩く」と「賀茂」が合わさってできました。このネーミングやロゴは研究室の学生が考えたものだそうです。
修士2年の兼本さん、水澤さん、平野さん、片野さんにもお話を伺いました。
研究室では呉市や安芸高田市などのまちづくりにも関わられており、東広島市のアルカモンの社会実験もその一つだそうです。
「研究で学んできたこともあり、まちなかににぎわいを作っていくための手法の紹介、パークレットなどのデザインの検討や設置はできますが、こうした活動を持続可能なものにしていくためには、市民の方に自ら参加してもらえるような形にしていく必要があります。そのためにも、多くの方に今回の社会実験を通じて私たちの活動を知っていただきたいです。」と話していただきました。
「いつでもパークレットがあるまち」になるとうれしい。
そんな思いを持って、パークレットの作成を進められたそうです。
この社会実験は来年度も継続して行われる予定です。将来的には、東広島市の中心市街地である、酒蔵通り一帯までを含めたエリアでのにぎわい創出を目指されているそうです。
西条駅前が今後もっとワクワクする空間になるのではないかと、今からとても楽しみですね。
※ パークレット … 道路空間の一部にベンチ、ウッドデッキ、人工芝などを配置し、にぎわいや憩いの空間をつくる取組み