学生から職員へのインタビュー
※インタビュー内容および出向者は、取材時(2025年3月)時点の情報です

インタビューの様子
Q1. 打越さん、成田さんは、それぞれ学外からTGOに来られて、どのようなお仕事に取り組まれていますか?
打越私は、東広島市役所からTGOに、2023年(令和5年)4月から出向してきています。
TGOには、「市と大学が共に発展するまちづくりを進めるための連携拠点」の役割と、市と大学とTown & Gown構想に賛同する企業で設立した「広島大学スマートシティ共創コンソーシアム(以下、共創コンソーシアム)の事務局」の役割があります。
私は、前者の「市と大学が共に発展するまちづくり」については、まさに市と大学間の調整業務を担っており、なかでも市と大学で取り組むコモン(COMMON)プロジェクトのコーディネートが大きな役割となっています。
市と大学が連携して行う事業は年々充実してきており、その調整や運営のお手伝いを、「市と大学の架け橋」となれるようイメージして日々の業務に努めています。
また、共創コンソーシアムについては、カーボンニュートラル・エネルギー分科会(分科会5)に携わり、市、大学、企業間の調整や運営のお手伝いをさせていただいています。
分科会5におけるこれまでの代表的な取組としては、広島大学の学生・教職員を対象とした電気自動車(EV)カーシェアが挙げられます。
今後は、EVの取組を契機とした、より効果的・効率的なエネルギーマネジメントの仕組みづくりに向けて、各種のカーボンニュートラルに資する取組を進めていく予定です。
成田私は、フジタから出向しており、3年半にわたりTGOに携わっています。自分自身も広島大学の卒業生で、工学部第四類を卒業しています。
私の仕事は、共創コンソーシアムの事務局として、主に3つの業務を担当しています。
1つ目は、全体の会議運営や、まちづくりやDXに関わる調整等の支援を行っています。
2つ目は、TGOアプリやもみじ、教職員用のいろはなどを通じた広報・情報発信です。
3つ目は、具体的なプロジェクトの支援として、学生のみなさん向けのサービスとして展開しているTGOアプリ、多言語コミュニケーション基盤、宅配ボックスそれぞれの開発サポート・運用に携わっています。
東広島市と大学が連携した具体的な取組について
Q2. 市と大学がTGOを介して具体的に取り組んでいることについて教えてください。
打越私が携わっている業務の中では、コモンプロジェクトが大きな取組となります。
コモンプロジェクトは東広島市の社会課題と広島大学の知見をマッチングさせ、地域社会課題解決に寄与するプロジェクトです。
“コモン”には広島大学と東広島市が「共通の(common)」課題に、お互いが「顧問」の先生のように教え合いながら課題解決を目指すという2つの意味が込められています。
2025年(令和7年)3月現在、10プロジェクトが行われています。
Q3. 現在のコモンプロジェクトの認知度はどのくらいでしょうか? また、認知度向上に向けて取り組みたいことはありますか?
打越コモンプロジェクトの中には、市民の方が参加されているプロジェクトもありますが、まだまだ周知が足りていないと感じています。
認知度向上に向けて、今年度はコモンプロジェクトの成果がわかるポスター展を開催したり、TGOの活動について市の広報紙「広報東広島」で特集を組むなどの周知に取り組んできておりますが、来年度はさらなる周知に向けて、コモンプロジェクトの成果報告会も検討しています。
フジタの取り組みについて
Q4. 市・大学・企業で構成される共創コンソーシアムにおける企業の役割とはどのようなものでしょうか?
成田スマートシティの実現に向けて、大学と市だけでなく、民間企業の持つノウハウや資源も提供する中で、共創で取り組むことに意義を見出し参画しています。
日本には成功事例としてのスマートシティはまだまだ少ないため、企業のもつ知見を共創コンソーシアムで提案し、学内で実証実験を行いながら、うまくいったものを現実のまちづくりに落とし込むという役割が企業にはあると考えています。
Q5. フジタが共創コンソーシアムに参画したきっかけを教えてください。
成田1つ目はフジタが広島発祥ということです。
1910年、広島市で土木・建築請負業を創業したことが建築業としてのフジタの始まりです。また、創業者は東広島出身ということで広島に根差した活動をしていきたいと思っていた2019年頃にちょうどTGOの活動を知ったことがきっかけの1つです。
2つ目はフジタにはまちづくりにおいての強みがあり、新たなまちづくりをハード面(例:土地区画整理事業などの開発)とソフト面(例:BIM・CIM※)で貢献できると思い参画しています。
- BIM (Building Information Modeling ) :
建物の設計・施工・維持管理に関する情報を3Dモデルで一元管理する技術 - CIM (Construction Information Modeling / Management ) :
インフラ設備(道路や橋など)の設計・施工・維持管理におけるデジタル技術を活用する手法
Q6. 共創コンソーシアムでフジタは具体的にどのようなことに取り組んでいますか?
成田共創コンソーシアムでBIM・CIMなどの技術を活用し、「建物やインフラ設備のデジタル化」と「ソリューションの展開」を模索しています。
学内の建物をBIM・CIM化して、デジタル空間上で建物の一元管理を行うことで、建物の維持管理に伴う日常業務の効率化につなげることができます。
大学での実証実験で得られた知見をもとに、市内の建物やインフラにも活用し、共創コンソーシアムが目指すスマートシティにおける建物やインフラ設備への展開も目指しています。

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- 聞き手: 広島大学 総合科学部 国際共創学科 山崎 茉奈
- インタビュー実施時期: 2025年3月
東広島市・広島大学 Town & Gown Office
- Mail: tgo hiroshima-u.ac.jp
- ※メールアドレスをクリックすると開くお問い合わせフォームもご利用いただけます。
- Tel: 082-424-4457