【レポート】スマート社会産官学民協働まちづくりフォーラム2024に参加しました

10月18日(金)～19日(土)に広島大学東広島キャンパスをメインに、「スマート社会産官学民協働まちづくりフォーラム2024」が開催されました。
今回は、19日のフォーラム事例発表・スペシャルセッション及びポスターセッションに参加し、自治体や大学、企業、地域がどのように地方創生に取り組まれているのかを学んできました。

事例発表は生物生産学部講義室において、①Town & Gown構想、②カーボンニュートラル、③地域連携事例、④スマートシティ構築・まちづくりの４テーマを軸として21名の方々がそれぞれの事例を交えて発表を行いました。大雨にもかかわらず、会場には多くの方々が来場され、発表に耳を傾け、質疑応答時間には他地域の取組に対し様々な視点からの質問や意見が交わされました。

東広島市経営戦略担当理事の栗栖真一氏による「東広島市から見たTown & Gown構想」の発表後、各テーマの会場にて発表が始まりました。発表者は大学機関や地方自治体に加え、一般企業、公益財団法人、まちづくりに関わる研究者、オリンピックメダリストなど幅広い分野の方が務められ、興味を惹かれる発表が大変多かったのですが、今回はTown & Gown構想に関する発表を中心に拝聴しました。

Town & Gown構想をテーマにした発表では、自治体の視点から大学との連携による地域課題の解決・地域の創生に焦点を当てた共有が多かったです。このテーマの中で私は、打越宏明氏(広島大学Town & Gown Office)、沖田征也氏(呉市企画部企画課)、そして上甲健人氏(今治市総合政策部市民が真ん中課)による事例発表をお聞きしました。
どの発表者も「人材や組織間の繋がり、資源など地域の魅力や利点を生かすために大学とどのような形で連携してTown & Gown構想を実施しているのか」や、「構想を進める際の重要な点や心構え」について話されていました。お三方の発表ではコミュニケーションの重要性が様々な場面で強調されていたように思います。事業実施に当たり、中心として活動する方々のモチベーションを高めるようはたらきかけることや、市民や企業に対して事業がもたらす好影響を分かりやすく説明することなどが連携において重要になるとのことでした。
また、それぞれのTown & Gown構想における地域課題についても取り上げられ、連携協定に比べ大学の影響力が強く、大学と自治体間での優先的な協働が可能となるTown & Gown構想は、課題解決を図るうえでより効果的であることを学びました。

私は東広島市に住む広島大学生として広島大学と東広島市の間でのTown & Gown 構想に関連するプロジェクトを知る機会が多かったため、今回のフォーラムに参加する以前は他の地域でも同じような枠組みで取り組まれていると想像していました。しかし今回の発表を聞いていく中で、他の地域では設定する課題だけでなく、大学と自治体、企業、地域の関係性がそれぞれ異なっているという発見がありました。

また、まちづくりフォーラムは、様々な事例を知り当事者同士で直接意見交換できる貴重な機会であると実感するとともに、私自身も他地域で展開される様々なTown & Gown 構想に直接ふれるため、観光も含めて事例発表された自治体を訪れたい！と思いました。さらに、自治体が取り組む地域課題の解決に大学が組織的に連携し、大学が持つ先生方の知識、学生の活力、大学施設などを効果的に結び付けることで、課題解決に多面的にアプローチできるだけでなく、その活動の積み重ねがより魅力的な「まち」と「大学」へとつながっていく可能性を強く感じました。

自治体と大学との連携による「まちの課題解決」を実現するには、そこに関わる職員の方などの熱意やノウハウが重要だと感じています。それらについてまちづくりフォーラムを通じて共有できることが分かったと同時に、全国には、まだ数多くの大学と自治体があることから、この「Town & Gown 構想」に基づく取組を広く知っていただきたいです。次回のフォーラムには、様々な立場から、より多くの方々が参加されることを期待しております。

• 文・写真: 広島大学 統合生命科学研究科 青栁 仁士
• 取材日: 2024年10月19日

• 「スマート社会産官学民協働まちづくりフォーラム2024」についての詳細は下記お知らせ記事をご覧ください

 

 Town & Gown Office

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• Tel: 082-424-4457