コモンプロジェクト(地域の元気応援プロジェクト) : 「コロナ禍での持続可能な地域活動のための文化・情報基盤創生プロジェクト」

プロジェクト紹介

コロナ禍での持続可能な地域活動のための文化・情報基盤創生プロジェクト

学術的な蓄積や教員・学生等の力を活用し、地域社会が直面する課題の解決や地域の活性化のために貢献することを目的とする、広島大学の地域の元気応援プロジェクト。 方向性が重なることから、東広島市内で採択されたプロジェクトをTGOのコモンプロジェクトとしても登録し、紹介させていただきます。


2021年度に採択された東広島市内のプロジェクトは2件で、今回ご紹介するプロジェクトは、「コロナ禍での持続可能な地域活動のための文化・情報基盤創生プロジェクト」です。

東広島市高屋町の小谷地域には、様々な地元の文化サークルがあります。

発表の場として、毎年秋に地域の小学校と協力して「文化のつどい」を実施されてきましたが、コロナ禍で様々な行事のほとんどが中止となり、活動の停滞や住民間のコミュニケーションの維持が地域における大きな課題となっていました。

こうした状況の中、プロジェクトを提案いただいたのは、これまでにも「小谷おやじの会」などで中心メンバーとして活躍されてきた、土里夢創房あぐりの代表である伊達義明さんです。

VR(ヴァーチャルリアリティ(仮想空間))の世界に文化活動の発表の場や情報交換の場を設け、地域の皆様に体験していただくとともに、コミュニケーションツールとして活用したいという提案が採択されたことを受け、先進理工系科学研究科電力・エネルギー工学研究室の佐々木豊助教(代表)、造賀芳文准教授、餘利野直人教授による大学側の体制が構築されました。

12月19日には、多くの地域の皆様の参加のもと、小谷地域センターでお披露目会が開催されました。

幼稚園から中学校までの児童生徒の作品や動画、地域の方の発表展示や撮影された動画などが階層ごとに整理され、あたかも人がエレベーターでそれぞれの階を行き来しながら見学できるようなVR空間に、子どもからも大人からも感心の声が上がっていました。

伊達さんからは、
「コロナ禍で様々な活動や行事が中止せざるを得なかったが、発表の機会がなく間が空いてしまうと活動そのものが衰退し消滅してしまうおそれがある。こうした状況をなんとかしたかった。
実際に、このVR展示会のためだけに撮影に協力してくれた団体もある。
私たちの小谷地域だけでなく全国どこも同じような状況だと思っており、今回の取組がうまくいけば、誰でも使えるシステムとして全国展開できるようにしたい。」と、熱く語っていただきました。

この日、学生として協力してくれたのは、大学院生の上岡真琴さん、河野直生さん、田中敬太さん。

プログラムのバグチェックをはじめ、VR空間への出入りの調整、3方向から撮影された写真の位置合わせ、地域の方に操作してもらうためのマニュアル作りなど、様々な場面で力を発揮していただいたそうです。この日、参加ができなかった大学院生の榎本翔さん、上杉友輝さんも含め、さまざまな視点からアプリを築き上げたとのことです。

当日、佐々木助教からは、「画面の操作は私たちより伊達さんの方がうまい。広島大学としての協力は微力だが、少しでも皆様のお役に立てたのであれば何よりです」とコメントをいただきました。

会議の後には参加者の皆さんと一緒に懇親会を開催されるなど、初めて地域に来られた方も積極的に歓迎し、コミュニケーションを取りながら一緒に取り組もうという姿勢が伝わってきました。

インターネット環境下での利便性の改善など、実際の完成にはもうひと手間かかるとのことですが、皆さんの力で乗り越えられ、プロジェクトの成果が同様の悩みを抱える地域の解決手段となることに期待しています。

 

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