レポート : 東広島市障がい福祉課主催「第2回 広大マルシェ」

学生によるレポート

2025年11月6日(木)に広島大学東広島キャンパスの迎える広場にて、東広島市障がい福祉課主催の「第2回 広大マルシェ」が開催されました。

この「広大マルシェ」は、農福連携を目的として市内の商業施設などで2022年度から不定期に開催されている「ノウフクマルシェ」を、農業分野以外の幅広い商品も対象として、広島大学東広島キャンパスにて開催するものです。
昨年11月に初めて開催され、2回目となる今回は、7つの事業所が出店していました。

  • 農福連携 :
    障がい者等が農業分野で活躍することを通じ、自信や生きがいを持って社会参画を実現していく取組。

秋の青空のもと、各ブースではハンドメイド雑貨や手作りのコーヒー、ふりかけなど様々な商品が販売され、学生や地域住民などの多くの人で賑わっていました。
各事業所の取組や活動の内容、マルシェ出店への熱い思いを聞かせていただきましたので、その一部をご紹介します。

「広大マルシェ」出店ブースの様子

就労継続支援B型事業所エミリィプラス」は、自家焙煎コーヒーの販売をメインに出店されていました。

コーヒーが店頭に並ぶまでには、

  • 豆の選別
  • 焙煎
  • 焙煎後に残る薄皮を取り除くチャフ取り
  • ミル挽き
  • ドリップ作り
  • ドリップ袋の圧着
  • パッケージのシール貼り

の工程があり、事業所の利用者の方それぞれの得意分野に応じて作業を分担し、取り組んでいただいているとおっしゃっていました。
エミリィプラスでは、市販のコーヒーに比べて焙煎から販売までの期間が大幅に短く、新鮮な状態で提供していることも特徴とのことです。

また、東広島市西条土与丸で学生服のリユースショップ「エミリィプラザ」を運営されており、ここでは数名の利用者の方が学生服の洗濯やボタン付け、アイロンがけや接客などに従事されているそうです。

今回はコーヒーの他に、紅茶、珈琲かりんとう、リサイクルコーヒー脱臭剤なども販売されていました。

私は、エミリィプラスの利用者の方が描いたイラストのポストカードを購入しました。動物や花などのとてもかわいらしいイラストは、iPadを使って描かれているそうです。どのイラストのポストカードにするかとても迷いましたが、悩んだ結果、ひときわ目を引いたパグのイラストが描かれたポストカードを選びました。お便りを書くのがますます楽しくなりそうで、使うのが待ち遠しいです。

就労継続支援B型事業所まる」は、福富産のえごまを使ったふりかけを販売されていました。

  • えごま :
    シソ科の一年草。東広島市福富地域の特産品。

ブースには、オニオンガーリック味と小魚味のふりかけを使った2種類のおにぎりとポップコーンの試食が用意されていました。食べ比べたあとにシールを貼って好みの味に投票できるという楽しい仕掛けもあり、訪れた方々は味わいながら楽しんでいる様子でした。

私も実際におにぎりを試食しました。どちらの味も非常に美味しく迷いましたが、ガーリックの刺激と程よい塩味が印象的だったオニオンガーリック味に投票しました。
えごまを使った商品を見かけることはまだあまりないので、このマルシェをきっかけに多くの人にえごまの魅力が伝わってほしいなと思います。

同事業所は、地域課題の解決をテーマに地域貢献したいという思いで活動されています。
運営母体では、介護用品の中古販売事業も展開しており、この事業は中四国初の取り組みとして新聞等に取り上げられたこともあるそうです。
また、一人暮らしの高齢者は、災害時に周囲に助けを求める手段が限られることから、クラウドファンディングで資金を募り、防災ホイッスルの制作販売を行った実績もある、とおっしゃっていました。

指定障害福祉サービス事業所 Bee-Works」は、利用者の方が手作業で作ったヘアゴムや、放課後等デイサービスで障がいのある子どもたちが作ったマグネット等を販売されていました。

私は毛糸で編んだ花のデザインのヘアゴムを購入しました。私自身は編み物をすることがないので、一つひとつ心を込めて作られた手編みのヘアゴムを購入できて嬉しかったです。ほっこりと暖かい雰囲気なので、これからの季節、活躍してくれそうです。

Bee-Worksは、リサイクルショップを営んでおり、そのまま捨てるのはもったいない着物やデニムなどをリメイクし、販売しているそうです。
引き取った服などの不用品を再利用することでゴミを少なくし社会貢献したい、という思いから活動しているとおっしゃっていました。
リメイクに携わる障がいのある方も、仕事を通して社会と関わることで、社会貢献していることを実感できるとのことです。

社会福祉法人平成会が運営する「多機能型事業所あさひ」が立ち上げた事業である「あさひチョコレート」は、キッチンカーでホットチョコレートなどのドリンクを販売されていました。

普段は竹原市田万里町を拠点に活動されており、様々な産地から仕入れたカカオ豆を手作業でチョコレートに加工しているそうです。

事業所の利用者の方が一つひとつ手作業で丁寧に作ったチョコレートを、より多くの人に届けたいという思いから、毎年東広島市の西条中央公園で開催されている「Higashihiroshimaトワイエ」のクリスマスマーケットなど、様々なイベントに出店されているとおっしゃっていました。

最後に、「広大マルシェ」に対する市の思いや農福連携の意義について、東広島市健康福祉部 障がい福祉課 主任 溝部様にお話を伺うことができました。

この広大マルシェは、「農福連携の取組(ノウフクマルシェ)を通じて、広島大学と連携できないか?」という相談を、東広島市・広島大学Town & Gown Office (当時は広島大学Town & Gown Office) の担当者に行ったことがきっかけで、昨年度から始まったそうです。

今回のように広島大学でマルシェを開催することで、「普段あまり福祉に関わる機会のない学生に、障がい福祉事業所の取り組みを知ってもらいたい」障がい福祉について、多くの方は普段の生活の中で、考えたり触れる機会はあまりないかもしれないが、実は誰にとっても身近な話であり、知っておくといざという時に心強い」とおっしゃっていました。

福祉について、頭の片隅に置いておくことはとても大切であり、自分や家族が「当事者」になったときには一人で抱え込まず、福祉の専門家である市の職員や地域の事業所などに相談してほしいとのことでした。

また、東広島市内には、今回のマルシェに出店いただいた事業所の他にも、利用者の方が手作業で雑貨を作ったり、農作業に従事したりしている事業所等があるそうです。
中でも農作業は、草刈りや収穫、出荷など数多くの工程があり、体を動かしながら働くことで利用者の方の健康的な生活につながるため、大きな意義があるとおっしゃっていました。

東広島市農福連携事業「ノウフクマルシェ」についての詳細は、下記のリンク先の東広島市ホームページにてご確認ください。

感想

今回、各事業所の思いをお聞きする機会に恵まれ、これまであまり知らなかった福祉の世界への関心が高まりました。
また、どの事業所も、利用者の方の生活支援や、社会全体を良くしていくことに対する熱意があり、もっとお話を聞いていたいと何度も思いました。

そして、これまで店頭やイベントで何気なく手に取っていた商品に込められた福祉に関わるすべての人の強い思いを知り、各事業所や利用者の方を支援するために自分ができることは何だろう、と考えるようになりました。
その中で、福祉に関心を抱くこと、モノを消費する際の選択を少し変えてみることが、今の自分にできることなのかもしれないと気づきました。

普段の生活の中で、福祉を意識する機会はあまりないかもしれません。だからこそ、私が多くの気づきを得たように、このようなマルシェを大学で開催することには大きな意味があるのではないかと思います。
様々な方にマルシェやイベントに足を運んでもらい、事業所の取り組みを知ること、直接お話を伺うことで福祉を身近に感じるきっかけにしてほしいです。
今回のマルシェには地域の方も多く訪れており、広島大学が人と人とをつなぐより広い交流の場となっていくことに大きな期待を感じます。

障がいの有無にかかわらず、一人ひとりの個性を大切にしていける、そんなインクルーシブな社会の実現に向けて、自分にできることをこれからも探っていきたいです。

広島大学や東広島市で開催されるイベント情報の確認には、TGOアプリが便利です。この機会にぜひご利用ください。

レポート概要

  • 取材者: 広島大学総合科学部国際共創学科 山崎 茉奈
  • 取材日: 2025年11月6日

お問い合わせ

東広島市・広島大学 Town & Gown Office

  • Mail: tgo hiroshima-u.ac.jp 
  • ※メールアドレスをクリックまたはタップすると開くお問い合わせフォームもご利用いただけます。
  • Tel: 082-424-4457
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