【レポート】マルチタスク車両活用事例
広島大学スマートシティ共創コンソーシアムでは、多様なモビリティサービスの発展を目指して、「マルチタスク車両」を活用した各種実証実験に取り組んでいます。
学生によるマルチタスク車両活用事例レポート
今回は、東広島キャンパス内で「マルチタスク車両」を活用した学生のマイナンバーカードの出張申請サポートが行われていましたので、取材してきました。
行ってみるとマイナンバーカードを周知する幟(のぼり)が立っていたためすぐに分かりました。
マイナンバーカードの申請をこれから希望される方にとっては、市役所へ手続きに行かずとも、マルチタスク車両が身近な場所に出張してきてくれる上に、悪天候時でも車内で申請書の記載ができるため、とても利便性の高いサービスだと感じました。
内装について
「マルチタスク車両」とは、実施する作業にあわせて臨機応変に内装を変えられる車両で、例えば、テレワークや自習、パーティーなどの目的にあわせて、車内の椅子やテーブルの配置を柔軟に変えることができます。
「マルチタスク車両」の中をのぞくと、机と椅子は、申請書が落ち着いて書けるように配置されていました。
内装を「パーティー」で活用するイメージで配置しなおしていただきました。 車内の床面にレール(溝)があり、このレールに机や椅子をはめ込むことで配置を自由に変更でき、ロックすると椅子などがぶれることはありませんでした。 机や椅子は少し重たいので、特に女性であれば複数人で配置するか男性の力を借りた方がよいと感じました。
配置の変更には、10分程度を要しましたが、正面にあるモニターを見ながら、飲食ができるように変更できました。
この配置であれば、車内で友人と一緒にスポーツ観戦等を楽しむこともできると感じました。
モニターはパソコン画面を映すことができ、会議や発表練習会の場としても使えそうです。
椅子の向きも様々変えられるため、みんなで向かい合うこともできるようです。
また、細部を見てみますとUSBの差込口が至る所にあり、どの席に座った方もスマートフォンの充電などに利用できます。
外装について
次に「マルチタスク車両」の外装についてです。
このデザインは、広島大学教育学部造形芸術系コースの井戸川先生、一鍬田先生の協力を得て、学生が複数のデザイン案の候補を作成し、その中から選定されたものです。
正面には、酒蔵や学校、家、山などの東広島をイメージしたイラストが描かれており、東広島での人々のつながりが表現されています。
正面から見て左側には、大きく「マルチタスク車両」と書かれていて、走行中であっても、遠くから見てパッと一目でわかりやすいデザインとなっています。
また、左右の両面には、黄色で鳥のイラストが描かれていますが、これは「モビリティサービスは広範囲にわたるもの」「内装を臨機応変に変更でき、様々な用途に活用できる車両」という特徴を、自由にはばたくイメージを持っている「鳥」で表現したものです。
正面から見て右側には、「広島大学スマートシティ共創コンソーシアム」と書かれています。これは、「マルチタスク車両」を活用した実証実験を行っている共同事業体の名称をみなさまにお伝えするためです。
また、右側には、ルーフが出せるようになっており、このルーフにより、車外においても多様な活用ができます。
例えば、ルーフを日除けや雨除けとして活用し、この下で対面販売等を行ってもいいのかなと感じました。
5月15日までの毎週火曜日・水曜日に、野菜の集荷販売を行う実証実験を実施しました。
ルーフの出し入れは簡単で、写真の赤丸の箇所をくるくる回すことでルーフが出てきます。
今回は、マルチタスク車両を活用した実証実験の一つとして、マイナンバーカードの出張申請が行われていましたが、2024年4月からは「レンタカー」や「会議室の用途」としての貸し出しも期間限定で開始されています。
6月28日(金)までの期間限定で「レンタカー」・「貸会議室」サービスを提供中です。学生の方にはお得なキャンペーンも実施!
また、この「マルチタスク車両」の予約もできるアプリの開発も並行して進められており、TGOアプリをインストールしていると、予約アプリも利用できるようになるとのことでした。
予約アプリの利用開始は2024年6月以降を予定しています。
ぜひこの「マルチタスク車両」を今後活用してみてください。
- 文・写真: 広島大学 先進理工系科学研究科 七森 久美子
- 取材時期: 2024年2月
- MaaS基盤については下記ページをご覧ください
Town & Gown Office
- Mail: tgohiroshima-u.ac.jp
- ※メールアドレスをクリックすると開くお問い合わせフォームもご利用いただけます。
- Tel: 082-424-4457