コモンプロジェクト : 「のん太の家庭科室」2023年度活動報告
プロジェクト紹介
日本のものづくり体験を通して、家庭や地域におけるコミュニケーションの場を提供したい
2021年度からスタートした「のん太の家庭科室」は、多くの市民の皆様にお越しいただき、学生たちとともに、親子がものづくりの楽しさを体験する学びの場として定着しつつあります。
2023年度は、4年生が主体となり、卒業研究として、道の駅湖畔の里福富(6月)、広島大学(8月)、道の駅西条のん太の酒蔵(10月、11月)において、計4回「糸と針を使ったものづくり体験講座」を開催し、「刺し子」と「羊毛フェルト」の製作活動を行いました。
また、大学院生が修士論文の一環で行った計4回のクロスステッチ刺繍の連続講座でも多くの市民の皆様にお越しいただきました。
さらに東広島市主催の生涯学習フェスティバル(11月3日)には、「刺し子」の体験ブースを出展し、ものづくりを楽しんでいただきました。
4年生が初めて主催した道の駅湖畔の里福富(6月)では、ホールを会場に各テーブルにピンクのTシャツを着たスタッフを配置し、参加者のものづくりをサポートしました。
広島大学(8月)で行った羊毛フェルトの講座では、講師から夏休みの自由研究のヒントのお話しもありました。3世代の参加者が取り組む様子にスタッフも感激しました。
2022年7月にオープンした「道の駅西条のん太の酒蔵」での開催も今年で2年目。
自分で製作する合間に、一生懸命にものづくりに取り組む家族の写真を撮る姿も見られました。
11月の講座ではクリスマスに向けたデザイン見本もたくさん並べました。
製作に入ると親子ともに無我夢中で取り組んでいます。
さらに今年は大学院生が修士論文の研究として、計4回のクロスステッチ刺繍に取り組む連続講座を企画、実施しました。
いずれの回でも、親子が大学生のスタッフに教えてもらいながら、創造性豊かな作品を仕上げていました。参加してくださった皆さんが毎回レベルアップしていく様子を見ることができました。
講座修了後には、スタッフ全員で反省会。教員としての資質・能力の向上に意義ある学びができました。今年最後の講座を終えたスタッフには満足した笑顔が見られました。
2023年度講座を主催した学生の声
本年度も「のん太の家庭科室」の活動を応援してくださり、ありがとうございました。
本講座では、子どもたちが家族や地域の人、留学生との交流の中で、ものづくりの楽しさや喜びを体感することができました。
講座後には、「子ども達の年齢が近く、話しが盛り上がった」・「留学生と話せて楽しかった」等という声をいただき、子どもたちだけでなく、市民・留学生の方々にも、本講座が喜んでいただけるものになったことを嬉しく思います。
本講座は、ものづくりの技術や知識を身につけるだけでなく、子どもたちの自己肯定感や社会性やコミュニケーション能力の向上にもつながっていると感じています。
子どもたちは、自分の作品を他の人に見せたり他の人の作品を褒めたりすることで自分の価値を認められ自信をつけることができます。
また、異なる価値観や文化を持つ人々と交流することで、視野が広がり、協調性やコミュニケーション能力が向上します。
これからも、子どもたちが家庭科を楽しみながら豊かな生活を送ることができるよう、本講座の活動に貢献していきたいです。
(教育学部4年)
本年度も「のん太の家庭科室」として活動する機会をいただきありがとうございました。
私が印象に残っているのは、本講座で針を初めて触ったという子どもたちが多くいたことです。
未就学児や家庭科未学習の小学生たちは、はじめは慣れない手つきであっても、ご家族やスタッフのサポートを素直に受け止め、講座が終わる頃には一人で完璧に針を扱うことができるようになった姿がとても印象的でした。
特にクロスステッチ編は連続講座として実施したこともあり、回を重ねる毎に参加者の皆様が着実に上達していく姿を見ることができました。
実際に講座中には、本講座がきっかけとなりご家庭で糸と針を使ったものづくりを楽しむようになったというお話や、子どもたちからは「家庭科が楽しみ!」という声を聞くことができ、スタッフたちのやりがいにもつながったことと思います。
ものづくりを通して、「のん太の家庭科室」が市民の皆様の生活に豊かさをもたらすことができていることを実感できた1年となりました。
来年度以降も引き続きよろしくお願いいたします。
(大学院人間社会科学研究科2年)
2024年度は6月、8月、10月、11月に計4回の講座「〜生活体験を通してウェルビーイングを考える〜」を企画しています。詳しくは「のん太の家庭科室」公式ホームページ&インスタグラムで紹介します!
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(文・写真:広島大学人間生活教育学コース 鈴木 明子、村上 かおり)