新しい価値創造に挑戦し続ける大学発ベンチャーの成功例を示す : プラチナバイオ株式会社 代表取締役 CEO 奥原 啓輔 氏に聞く
活動紹介インタビュー
新しい価値創造に挑戦し続ける大学発ベンチャーの成功例を示す
プラチナバイオ株式会社 代表取締役 CEO 奥原 啓輔 氏に聞く
TGOの4つの活動
4.アントレプレナーのエコシステム形成、イノベーション人材育成・支援
●イノベーション人材の育成と支援
●アントレプレナーの大規模なエコシステムの形成
●大学支援型ふるさと納税による卒業生の活用・学生起業支援の仕組みの構築
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ゲノムを読み解き、多様な社会課題を解決に導く
プラチナバイオという大学発ベンチャーを経営しています。 『ゲノム編集とデジタル技術でミライを拓く』をビジョンとし、産業利用に最適な国産ゲノム編集ツールの開発・提供のほか、ゲノム解析、安全性評価をはじめとするコンサルティングといった事業に取り組んでいます。
微生物から人間を含む動植物まで、すべての生物に備わっているのがDNAです。すべての生物はみな異なるDNAを持っており、まさに”生命の設計図”とも言えます。プラチナバイオの仕事は、そのDNAを読み解き、生物の力を使ってエネルギー問題や環境問題、地球温暖化など、さまざまな社会課題を解決するきっかけを提供することです。
起業家に最適な刺激や挑戦への機運があるまちに
実は私自身も広島大学の卒業生で、プラチナバイオを設立するまでは、国の機関や東広島市、さらには東広島市から派遣される形で広島大学でも働いていました。
東広島市が運営する交流施設『東広島イノベーションラボ ミライノ+』では、異業種の起業家やクリエイターとのネットワークが構築できますし、広島大学でも『起業部 1st Penguin Club』や『VBL(ベンチャービジネスラボラトリ)』などがあり、起業をめざす機運が高く刺激も多い環境です。私も学生たちの前向きな姿勢に背中を押され、起業したようなものです(笑)
行政と大学が一体となって取り組むTown & Gown 構想が東広島市に浸透することで、誕生した新しい価値についてまちの人々が議論するようになったり、日本で最も最先端テクノロジーについてディスカッションする人が多いまちになれば面白いのではないでしょうか。
だから、ひとりの東広島市民としては、この構想には期待しかありません。私は3人の子の親ですが、子どもたちにとっては最高の学びの場になるでしょう。起業家としては、これまで以上に学生や若い起業家から刺激を受ける機会が増えると期待します。挑戦する機運、失敗が成功への原動力になることがより認知され、今まで以上に刺激に満ちた起業しやすい環境が醸成されると思うと楽しみです。
(研究の様子)
新しい価値を創造し、社会課題を解決したい
今後、東広島市が新しい価値創造に挑戦する機運に満ちたまちになることを期待していますし、私自身もそういったポジティブなイメージを伝える役割を担っていきたいです。また、企業としては2025年の上場をめざしています。上場をめざすのは、大学発ベンチャーのひとつの成功例としてわかりやすい形だと思うから。
当社が関わったプロダクト『低アレルゲン卵』は広島大学の研究から生まれたものです。今後も、このような新しい価値を創造して世に問うていきたいですし、大学発ベンチャーが生み出す新しいプロダクトやサービスがビジネスとして成立することを証明していきます。同時に、企業課題を解決する形で新しい価値を生み出すことにも挑戦してみたいですし、その成果をさらに社会全体の課題解決につなげていきたいですね。