レポート :「地域交流イベント」に参加しました (前編)

学生によるレポート

東広島市のみなさんに「広島大学スマートシティ共創コンソーシアム (以下、共創コンソーシアム)」の取組について知っていただくことを目的とした「地域交流イベント」が、2025年11月1日(土)に広島大学フェニックス国際センター MIRAI CREA(ミライクリエ)で開催されました。

レポートの前編では、共創コンソーシアムの取組紹介および意見交換の様子をお伝えします。

第1部「共創コンソーシアムとは」

はじめに、共創コンソーシアムのリーダーを務める広島大学の金子慎治 理事・副学長より、共創コンソーシアムの概要として、「Town & Gown構想」を基盤とした東広島市のまちづくりの未来について説明がありました。

市と大学が一体となって持続的な地域の発展と大学の進化を共に目指すTown & Gown構想は、2019年(令和元年)にアメリカのアリゾナ州立大学に視察に行ったことをきっかけに始まったそうです。
アリゾナ州立大学と地域が密接に関わりながら発展している姿を参考に、大学と連携したまちづくりに元々興味を示していた企業にコンタクトを取った結果、「この取り組みを一緒にやりたい」という熱意のある企業が集まり、2022年(令和4年)3月に「共創コンソーシアム」が設置されたとのことでした。

日本の国立大学の中で3番目に広いキャンパスを持ち、学生、教職員を含めた15,000人と3,000台の車が毎日のように出入りする広島大学を一つの「まち」と捉え、スマートキャンパスやスマートシティの形成に向けた各種の実証研究に取り組んでいると説明されました。
また、こうした取組成果を、大学周辺に社会実装することで、イノベーションを創出するスマートシティの実現を目指していると述べられました。

金子理事・副学長による取組説明

日本が得意とするインフラを活かし、ハード面だけでなくソフト面からもアプローチすることで、「人々が幸せに暮らすことができ、環境にも優しいまちづくり」を実現し、将来的にはこのノウハウを海外にも展開していきたいとのことでした。

次に、共創コンソーシアム内の各分科会から、それぞれの取組について説明がありました。

まちづくり分科会からは、株式会社フジタの太田氏が説明されました。
今春、東広島市より公開された「次世代学園都市ゾーンのまちづくり」をもとに、広島大学周辺に新しい“まち”をつくるにあたっては、大学内や既成市街地で計画的に実証実験を行い、その成果を「新市街地(グリーンフィールド)」に展開していくことが必要であると述べられました。

また、「学生街」として開発された現在の西条下見地区を、学生だけでなく企業、外国人、研究者といった多様な人材が集まる「大学街」に変えていくという革新的な計画も紹介されました。

次世代の交通体系が導入され、車に頼らなくても生活できる環境負荷が低いまち、次世代学園都市を象徴する近未来型のスマートシティを、5年から10年のスパンで新市街地に形成したいと考えられているとのことでした。

「次世代学園都市ゾーンのまちづくり」については下記お知らせ記事をご参照ください。

DX分科会からは、東広島市役所の山下氏が「TGOアプリ」について説明されました。

TGOアプリは「ビッグデータの活用によるスマートシティの実現」を目的として導入されましたが、現状はアプリの利用者が伸び悩んでおり、より多くの学生に利用してもらいたいとの課題が示されました。

今後の展開として、SSO(シングルサインオン)認証基盤の整備とAPI連携の促進など、学生、市民、企業とも連携しながら、TGOアプリを通じて市民のウェルビーイングの構築を目指していきたいとのことでした。

  • SSO (Single Sign On) :
    一度のログイン認証で、複数のアプリケーションやサービスにアクセスできる仕組みのこと。
  • API連携 :
    異なるアプリケーションやシステム間でデータや機能を連携させること。

最後に、カーボンニュートラル・エネルギー分科会から、中国電力株式会社の宮西氏が説明されました。
同分科会では、「カーボンニュートラルの世界観(エネルギーリソース×データ×エリアマネジメント)」の実現に向けて、大学・地域と連携した取組を検討されているそうです。

具体的には、東広島キャンパス内に設置された太陽光発電、受電設備(需要)、EV、空調機器を制御システムに接続し、統合制御を実施することについて紹介がありました。
日中の太陽光発電の余った電気をEV等に充電し、夕方に放電するとともに、電力需要のピーク時には空調出力を抑制することで、電力需要の平準化を図っていくとのことでした。

次世代学園都市を見据え、今年度から来年度にかけてキャンパス内で実証を行い、2028年度からはその成果を踏まえて、まちに実装していきたいと述べられました。

第2部「質疑応答」

第2部では、参加者を交えたまちづくり意見交換が行われました。
参加者からは多様な質問が寄せられ、活発な質疑応答が繰り広げられました。

中でも特に印象的だったのは、広島大学の学生による「次世代学園都市ゾーンのまちづくりを踏まえ、広大生に求められること、そして貢献してほしいことは何ですか?」という質問でした。

この質問には、金子理事・副学長から「ぜひ共創コンソーシアムの取り組みに関心を持って、一緒に取り組んでほしい。また、国立大学が直面する課題を今後どう乗り越えていくのか、新しい社会への転換を学生と一緒に考えていきたい。」と回答されました。

学生からの率直な問いかけに対し、大学の未来像と学生への期待が込められた回答が示されました。
まちづくりや社会の変革において、学生自身が主体的に関わることの重要性が改めて強調された場面でした。

参加者からの質問に答える金子理事・副学長
感想

新市街地(グリーンフィールド)の目指す姿を聴いて、自分が慣れ親しんできた東広島市が、人にも環境にも優しい、そんなまちに変革していくために必要なことや求められていることは何だろうか、と考える非常に良いきっかけとなり、東広島市の未来に大きな希望を感じました。

また、次世代学園都市の実現には私たち若い世代の理解や協力が不可欠である、ということを実感し、広島大学をはじめとする多くの学生が生活している東広島市の現状、未来について共に考えていきたいと思いました。

今後の半導体産業の集積に伴い、人口増加が見込まれる中、国籍などの属性を超えた交流が身近で行われ、誰もが「東広島市に住んでよかった」「今後も住み続けたい」と思えるようなまちづくりに向け、私も協力していきたいです。

レポート概要

  • 取材者: 広島大学総合科学部国際共創学科 山崎 茉奈
  • 取材日: 2025年11月1日

「地域交流イベント」の概要については下記お知らせ記事をご参照ください。

「共創コンソーシアム」については下記ページをご参照ください。

お問い合わせ

東広島市・広島大学 Town & Gown Office

  • Mail: tgo hiroshima-u.ac.jp 
  • ※メールアドレスをクリックまたはタップすると開くお問い合わせフォームもご利用いただけます。
  • Tel: 082-424-4457
Translate